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大谷田就労支援センターの支援の考え方や普段の様子を載せていきます!

名もなき支援者連絡ノート 日記

2013年08月20日 ほめること・しかること

先日、ある会社の見学をさせていただきました。清掃の仕事に取り組んでおり、利用者の方と作業を一緒に行っている指導者の方のご本人に対する促しの言葉がけや、仕事ができた時の誉める言葉が、とても上手くできていると感じさせられました。福祉の現場でない指導者の方が、障がいがある方の特徴や行動傾向をつかんで、その人に合った声かけをしていることに驚きました。障がいがあるなしに関わらず、指導・促すということは共通するものがあり、果たして自分たちの現場でこのようにできているのかと自問自答しています。

我々の現場の中では、支援者がご本人の課題や問題に対してアプローチしていますが、やはり、できていないことに対してばかり視点を持ってしまいがちであり、支援者自身の捉え方も偏ってしまいます。我々の支援の基本は、ご本人のできているところにアプローチし強化を行い、できることを増やし、自信を持って取り組んでいただき、自立の度合いを高めていく関わりが求められます。

しかし、実際は、「ダメです」「いけません」というような声かけが多く存在します。更には、作業の指示や手順を教えている場面でも、「よく聞いて」「きちんとして」「きれいにしましょう」「早く終わらせて」「ちょっと待って」など、障がいがある方にとっては、抽象的すぎて意図がわからない伝え方をしている場面が見受けられます。これらの言葉は、程度の目安は伝える側にしか分かりませんし、「しかる」ことばかりですとご本人のやる気もなくなってしまいます。

FAXを送っていますまた、我々の事業所では、利用者の方も営業に行ったり、打ち合わせを行ったりしています。その中で利用者の方が、新しくお客様から仕事をいただいたり、新しい提案を受け入れていただいたりしています。我々支援者としては、その時は本当に喜ばしいことなので、支援者自身も嬉しくなりますし、ご本人に「ほめる」ことを伝えていきたいですね。そそてその成果を事業所全体で共有していきたいと考えています。そのことで、ご本人にも自信が付きますし、社会に直接関わって成果として表れることで、貢献している喜びは大きなものになります。

先ほどの会社の指導者の方の声かけ一つにしても、「ほめること」「しかること」を明確にして関わっているのが、周りから見ても明確に受け取れます。伝えられているご本人にとっても、充分、何が良かったのか、何が違ったのか理解できると思います。専門家である我々も、他の事例を参考にしながら、ご本人にとって分かりやすい「ほめること」「しかること」を心がけていきたいと思います。