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大谷田就労支援センターの支援の考え方や普段の様子を載せていきます!

名もなき支援者連絡ノート 日記

2013年03月29日 変わっていくこと・・・その2

昨年から、法人内のプロジェクトチームで、施設間で共同作業を行うことを検討してきており、2月中旬から、保育園向けのバッグやシーツの販売を開始いたしましたが、既に何件か、お客様からお申し込みをいただいております。これまでの取り組みですと、一つ施設が受注し、製造し、納品する流れになっていますが、今回の作業ではAという施設が受注し、Bという施設が製造もしくは外注し、Cという施設が梱包、納品を行うという分業体制で仕事を行うことを構築しました。我々の法人内の事業所に在籍する利用者の方がたがそれぞれ障がいの程度などが大きく異なっているため、それぞれの特性を活かせるように仕事の配分をし、個々の仕事の機会を増やしていくことを基本に考えています。

元々、このプロジェクトでは既存の事業にとらわれず、今まで一施設単体で考えてこの仕事はできないと決め付けてしまっていたものを取り払って、新しいものを作り、その中で各施設の利用者の方の働く機会を作っていこうという考えからスタートしています。これまでは、施設の中でどの様な仕事を受けて、どうやって障がいのある方々に作業をしていただくかという発想しかありませんでした。このような発想では、仕事の機会を提供することに限界があります。

この共同作業を検討してきたメンバーの支援者たちは、仕事を開始する準備や営業活動、関係機関への折衝、受注など初めての取り組みに戸惑いながらも、障がいのある方の働く場の実現に向けて、個々人が頑張ってくれています。また、個々の仕事も持ちながらこの新規事業の仕事もこなしているので、忙しくもなっています。周りの方々の負担も出ていると思いますが、大変な部分はお互い協力したり、支え合ったりして取り組んでいただいています。

新規事業を展開をしていく上で、様々な課題も出てきていますが、利用者の方と一緒に試行錯誤しながら取り組ませていただいています。既に納品させていただいたお客様からも、お褒めのお言葉をいただきました。皆で頑張ってきた甲斐があります。利用者の方が納品していくことで、お客様と関わり、直接お言葉をいただき、一層やりがいを見出していただければと思います。

我々支援者は、利用者の方に働く機会やお客様と接する機会を提供し続け、その楽しみを見出していただけるように支えていくことが一番重要な仕事だと思っています。利用者の方にやっていただけることは、「できない」という先入観を取り払って創り出していくことが求められます。支援者側の気持ちは、どうしても利用者の方の失敗を恐れたり、この仕事はできないだろうなと、やる前から決め付けてしまったりすることが多いと思います。利用者の方にとっては、失敗も一つの経験ですし、他人からできないと決め付けられるのは嫌なことだと思います。利用者の方ができるためには何が必要か、どういう条件だったらできるかという視点の持ち方を変えていくことが大切です。なかなかすぐには変わりませんが、利用者の方の力を信じて、失敗することを恐れずにサポートしていけば、まだまだできることは増えていくと思います。仕事に追われてしまうと、支援者側の主導や都合で進めてしまうことも出てくるかと思いますが、支援者の都合で仕事を回していくことに疑問を持ってください。支援者側で仕事を回してしまっている時は一度立ち止まって、○○さんはこの仕事を少し工夫すればできないかなとか、このお客様のところにだったら、△△さんは納品できるとか、利用者の方の可能性を見出すために考えていただければと思います。

私たちは、「できるためにはどうするか」を考えて支援を行っていきたいと思います。

入所してからも、自分で決めていく機会や判断する機会を、我々支援者が代わりに行うことはできません。ご本人が成長する機会を奪ってしまうからです。どんな小さなことでも自ら選んで決めていくことの大切さを考えて我々は日々関わらせていただいています。