我々を支えてくださる皆様へ!

大谷田就労支援センターの支援の考え方や普段の様子を載せていきます!

名もなき支援者連絡ノート 日記

2012年08月27日 新しい試み

以前、ある親御さんからお話しをいただいたことで、今でも心に残っていることがあります。「うちの子のような重度の子でも、働ける場があるといいのに。大谷田だと仕事の内容のレベルが高いし、他の施設だと働くというよりもレク活動ばかりで・・・。この子にも働くことをさせてあげたいんです。その中間の様な施設があるといいですね。」

私自身もお子さんの普段の様子を観させていただきながら同じことを考えていました。機能的な部分は別として、仕事の内容は理解していますし、集中が続かないのは支援者側の問題ですし、仕事を細かい工程に分ければまだまだできることのある方でした。「○○さんのような希望を持っていらっしゃる方も多くいます。できることがちょっとだけでも働きたい人はいます。そのような人が集まれば何かができるはずです。大谷田もそのような方々が働ける施設になれるよう目指していきます。」と返答させていただきました。

現在、神明福祉園(生活介護)や神明福祉作業所(就労継続支援B型・生活介護作業訓練型)という施設と、一緒に利用者の方々にできる作業を作り上げています。大谷田や神明福祉作業所で自転車の清掃作業を行っていますので、3施設合同でできないかを検討しています。それぞれの施設の利用者の方の層は違いますが、ちょっとした工夫があれば一緒に出来ると思い始めました。

中庭にて自転車の清掃作業先日、2施設の利用者・職員の方がお試し作業に見えました。利用者の方も初めてのことながら、職員の方と一緒に作業を少しずつ行っていました。仕事をするということだけではなく、何かを成し遂げるということでも、何かしら感じ取っていただけたと思います。利用者の方と職員の方が一緒になって作業する様子を観て、共に取り組む一生懸命さが伝わってきて、これならいけると実感しました。利用者の方・職員の方共に、作業する楽しみを少しでも感じ取っていただけたかと思います。

これまで企画を提案し、現場の方々が忙しい中、マニュアル作成や道具やスペースの確保など様々な準備をしてきており、同時にそれぞれの施設の事情や、異なった体制の中で、仕事に対する考え方や思いの違いはありますが、どんな方にも働く場を作ることができると思い準備をしてきました。私自身の中に常にあの時の親御さんの言葉が残っていたからです。実際に作業を行うのは、体制構築や調整を行って10月から始める予定ですが、それぞれの想いがうまく一つにまとまって、一緒に形にできるようにしていきたいと思います。

最初は、場所や仕事の提供だけになってしまうかもしれませんが、それぞれ皆さんが同じ土俵で利用者の方の働く喜びや働くニーズを叶えるために、力を合わせれば、もっと大きなこともできると思っています。小さなことかもしれませんが、まずはこのような試みから始めていきたいと思います。

いつか働きたいと思う誰もが、働ける場を作っていきたいですね。