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大谷田就労支援センターの支援の考え方や普段の様子を載せていきます!

名もなき支援者連絡ノート 日記

2011年09月29日 守るもの

最近、連絡ノートにお返事を書けず申し訳ありません。9月中旬に9日間研修に出ていました。とても良い勉強をさせていただきました。

以前、研修で障がいのある方のご家族が話されていたことをふと思い出しました。『いずれは私たち親が先に死んでしまいます。残されたこの子が、私たちなしで生きていけるのか心配です。一人になってしまったこの子がきちんと暮らしていけるのか、他人に迷惑かけたりしないのか心配になり不安になります。』

私自身、日頃センターの皆さんと様々な形で関わらせていただいています。その中で、いつも抱えている大切な想いがあります。我々は福祉のサービスを提供させていただいていますが、実態としては、人と人の関わりが特に大事になっていて、その関わりの中で、ご本人と我々のお互いが成長していくものだと思っています。

それでも我々は、ご本人の人生の中のほんの数年しか一緒にいれません。その方にとっては、人生の内のほんの一瞬かもしれません。だからこそ、その短い期間の中で我々がご本人と関わり、何か一つでも大事なことを得ていただいたり、学んだことが数年後活かされていったり、将来の目標がおぼろげでも定まっていったり、小さな事でもできることが増えていったり等々、我々と一緒に行ったことが、ご本人の人生の役に立てることができれば、本当に嬉しいです。人の成長なんてすぐには大きな変化があるのはわかりません。数年後、継続してできるようになったとか、時間が経ってみてすごく変わったとか気付きます。我々もずっと一緒にいられるわけではありません。モノもお金も与えられません。仮にご本人に対して与えられるものがあったとしても、これらのことしかできないのです。自分自身の力で何かを為すための方法を身に付けてもらうことしか残せないのです。

こんな想いを持ちながら、今までも多くの方々と関わってきましたが、昔は、私の支援の方法とご家族の意向が合わない方もいらっしゃいました。失礼な話になってしまったら申し訳ございません。お子さんの将来を按じて、『守ってしまう』ご家族がいらっしゃいました。この『守る』というのは、危険だから、この子にはできないからと、自分が支えていかなければと、無意識のうちにご本人に対して色々な制限をしてしまっていたことです。このことはご本人の意志さえも押さえつけてしまっていたのです。

もちろん『守る』ことは必要なのかもしれません。でも、ご本人の人生なのに、ご本人の意志さえも押さえて守るべきものではないと思うのです。また、お叱りを受けるかもしれませんが、ご本人を支えていく・支援していく・一緒に歩んでいく者の一人の意見として言わせてください。

我が子を大事に思うあまりのこと、つい自分のペースで関わってしまいますよね。お子さんを見てあげて下さい。手を掛ける前に自分でできるのかできないのか見てあげて下さい。声を掛ける前に自分で考えられるか考えられないか見てあげて下さい。できないことは手伝ってあげて下さい。できることは見守ってあげてください。お子さんの人生を自分自身で考えさせてあげてください。この子にはできない、この子は○○なんだと決めつけないでください。できることは何かを一緒に探してあげてください。できることを信じてあげてください。どうしても色々と口出ししたくなってしまいますよね。私に話してもらえませんか。私でよければ聞かせて下さい。

大変失礼なことを言ってしまっていましたら申し訳ございません。ご家族の皆様の想いには届かないかもしれませんが、我々もご本人に対して大事な想いを持っていることをご理解いただければ幸いです。